症例解説

アキレス腱炎

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アキレス腱炎

40代 男性 教員 左アキレス腱炎

仕事で長時間立っていなくてはならず、ここ数週間痛みが左アキレス腱に出てきた。特に走ったりなどはしていない。仕事に支障が出ているので早く治したい。湿布を貼っていたが変わらない。

来院時の状態

少し左足をかばう様に歩行して来院。以前に腰や肩などの施術をしてきているが、今回は左アキレス腱の痛みを取りたいと希望。痛みは仕事中の立っている時間が長いと出てくる。左アキレス腱の上1/2には圧痛があり、その下部に腱の肥厚と全体にも筋緊張が強い、他は気になる部分は無し。

鑑別、説明

元々左アキレス腱は腱に変成部がある為、腱の滑走に摩擦が生じやすく、そのせいで炎症が起こりやすいと考察。長時間の立位で筋疲労し、ふくらはぎからアキレス腱の緊張が強くなり、腱鞘で炎症が起こったのだと思われる。施術は左ふくらはぎの筋緊張緩和とアキレス腱部の炎症を抑える為、左アキレス腱とふくらはぎに鍼施術を行うこと。筋肉の緊張状態が慢性化しているので、普通のアキレス腱炎より少し回数がかかると思われると説明。

施術

鍼治療1回目

うつ伏せにて左下腿部(腓腹筋、ヒラメ筋、後脛骨筋)、アキレス腱付着部に刺鍼。置鍼後、抜鍼。

鍼治療2回目

「ふくらはぎにあった張り感や違和感はかなり減った。でも、アキレス腱の痛みは変わらない。」とのこと、

前回同様の施術。

鍼治療3回目

「アキレス腱の痛みが少し和らいできている感じある。ただ、立ち仕事が続くと強くなる。」

同様の施術。

鍼治療4、5,6回目

「3回目の後から痛みがじゃなり減った。」以降も3歩進んで、立ち仕事で1歩下がるような改善の仕方。

鍼治療7,8回目

違和感もほとんど出なくなり、治療終了。以後はストレッチやケアを続けるように指導。

解説

アキレス腱炎は基本的にはランナーなどの長時間走る競技の方で起こりますが、この方のようにアキレス腱が肥厚や湾曲している場合、その部分が負荷に弱くなり痛めやすいことがあります。本人は覚えていませんが、昔にアキレス腱を痛めたことがあり、それがきれいに修復しなかったのではないかと思います。今回は稀な例でした。一般的なアキレス腱炎は走るのを中断して、鍼施術で筋肉を緩め、炎症を解消します。そしてストレッチで筋肉の柔軟性を高めれば痛みも無くなり、再発も防げる状態になります。

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