症例解説

左股関節痛 左足の痺痛

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左股関節痛 左足の痺痛

60代 男性 無職 左股関節痛(臀部も含む)左下肢の痺痛

2週間くらい前、重たい荷物を運ぼうと持ち上げた際に、左の臀部と股関節に痛みが出た。その後、左足の下腿外側に痺れが出始めた。歩く際や起き上がる時などに、腰や股関節の動きで痛む。左足の痺れは歩くと強く出る。*半年前にも似たような症状があり、当院で4回の施術を行い改善している。

来院時の状態

少し左足を引きずるように、腰を曲げ気味で来院。歩行時や腰股関節の屈伸の動きで痛む。痛みは左の臀部~股関節前面にかけて出る。左足の下腿外側には痺れがあり、股関節の伸展で強くなる。

鑑別、説明

前回も同様な症状で来院していて、「左大腰筋、左梨状筋、左小殿筋」の施術で改善していること、痛みやシビレの出方から大腰筋と股関節の筋肉が原因と考えられることを説明。同様の施術から開始することを伝える。

施術

鍼治療1回目

うつ伏せにて、左の大腰筋、小殿筋、梨状筋の刺鍼。置鍼後、抜鍼。

鍼治療2回目

「左股関節の痛みは半減したが、痺れはあんまり変わらない。」とのこと、同様の施術に中殿筋刺鍼を加える。

鍼治療3回目

「股関節は残り3割といった感じ、痺れもある程度改善している感じがある!」とのこと、歩行時の動きで腸骨筋の動きの悪さを感じ、確認すると筋力の減弱を確認。次回は緒骨筋の治療をすると説明。

鍼治療4回目

「股関節は違和感程度まで回復したが、痺れは半分くらいの改善かな。」とのこと、上向にて左腸骨筋と股関節に刺鍼。置鍼後、抜鍼。腸骨筋は反応が強く、症状を再現。「これだね!残りの原因!」と説明。

鍼治療5回目

「痺れ激減!ほとんど気にならない、たまに違和感が出る程度。」

前回同様の施術。以降は痛み痺れが気にならないようなら、様子見でいいと説明。また症状が出てくるようなら早めに来るように説明。

解説

この患者さんは半年前にも同じ症状で来院していましたが、今回と前回では原因が違います。前回は大腰筋と梨状筋、小殿筋による神経の圧迫でしたが、今回は腸骨筋による神経の圧迫です。一般的には腸腰筋と呼ばれる筋肉ですが、細かくすると大腰筋と腸骨筋に分けられ、どちらの筋肉でも足の神経が圧迫されることがあります。大腰筋の方が痛めることが多く、臀部の筋肉の施術も可能なのでこちらを優先して施術することが多いです。大腰筋と腸骨筋のどちらが原因だとしても、3寸以上の鍼を用意していない鍼灸院では出来ないので、新潟でも大腰筋刺鍼や腸骨筋刺鍼が広まってくれればうれしいですね。自分も痛めた際に受けたいので(^^)

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