症例解説

左肩痛

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左肩痛

20代 男性 消防士 左肩痛

1週間前にベンチプレスをしてトレーニング中に体勢を崩した際に左肩に痛みが出た。その後重い荷物を持ったりすると左肩に痛みが出る。整形外科に行ったが上腕二頭筋長頭腱炎と診断され、湿布を出されたが治りが悪い。

来院時の状態

左肩に痛みがあり来院。痛みは肩関節の前横側にあり、位置的に結節間溝があるので「上腕二頭筋長頭腱炎」の診断がされたと思われる。ただし、肩関節は前方挙上でP+、外転P+、伸展P+、内旋外旋はP-、肘関節屈曲P-であった。(P=痛み反応)圧痛は三角筋前部繊維にあり。

鑑別、説明

肘関節の屈曲でははっきりとした痛みはなく、肩関節の前方挙上で痛みが出ることから、「上腕二頭筋長頭腱炎」ではなく、「三角筋前部繊維の部分断裂」だと考える。上腕二頭筋にも圧痛は無く、施術は三角筋の前側と外側に行うことを説明。

施術

鍼治療1回目

仰向けにて左の三角筋、烏口腕筋 上腕二頭筋に刺鍼。置鍼後、抜鍼。刺鍼時の反応から、やはり三角筋の前部繊維の筋繊維損傷だと説明。

鍼治療2回目

「肩の痛みが半減した!」とのこと、前回同様の施術。繰り返せば治ると説明。

鍼治療3,4回目

4回目には違和感程度になる。以降はストレッチを1週間続けて、それから筋トレを軽度の負荷から開始するように指導。

解説

今回の左肩痛はベンチプレスの重みが左肩に強くかかり、筋繊維が傷ついたのが原因です。整形外科では理学検査の際に、上腕二頭筋を調べようとして三角筋前部繊維にも力が入ってしまい誤診につながったと思われます。確かに痛みの部分や動きから間違えやすいですが、痛めたときの姿勢や行動(動き)で、上腕二頭筋では無く三角筋ではないのかと考えれるケースでした。問診をしっかりすることで正確な情報が得られると、改めて思う症例でした。

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