症例解説

肩関節周囲炎

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肩関節周囲炎

40代 女性 会社員 左肩の痛み(四十肩、五十肩)

1年前から肩に違和感があり、手を後ろに回したり、頭の後ろに回したりする時に少し痛みはあったが、生活に支障がなく放置していた。昨日の朝から左肩に強い痛みが出てきて、一日中痛みがおさまらない。腕を上げようとすると激痛で上がらない。後ろも横も動かすと痛む。夜も痛みで寝れない。

来院時の状態

左肩の痛み強く、肩関節のどの動きにも痛みを感じる。自動運動では、外転、外旋、伸展に強く痛み、内旋、内転はやや痛みが少ない。他動運動では外旋伸、伸展で痛み。外転は痛み無し。夜間痛あり。三角筋部に圧痛あり、棘上筋、棘下筋は少し痛みを感じる程度。

鑑別、説明

今は痛みが強く出ているので、どの動きでも痛みが出るが、三角筋が特に痛みを出している。それ以外には、肩甲下筋と烏口腕筋が慢性的な筋緊張で悪いと感じ、棘上筋、棘下筋は他の痛みの為にやや緊張している程度だと思うと説明。

施術

鍼治療1、2回目

うつ伏せにて左の肩甲間部、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、三角筋、烏口腕筋に全体的に少な目に刺鍼。置鍼後、抜鍼。

「1回目の治療後から夜間痛は無くなった。2回目で普段の痛みが3割減。」とのこと、

鍼治療3,4,5回目

仰向けにて烏口腕筋、肩甲下筋、三角筋(前部繊維)、上腕二頭筋に刺鍼。置鍼後、抜鍼。

鍼治療6回目

「残り1,2割くらい、たまに痛むことがある」とのこと、うつ伏せの施術に戻る。ストレッチ指導。

鍼治療7回目

「残りは違和感程度」とのこと、前回同様の施術。2週間ほど期間を空けて、状態が安定していい様なら終了と説明。

鍼治療8回目

「肩の調子はいいが、予防もかねて治療をお願いしたい!」とのこと、同様の施術。

終了。

解説

これは四十肩、五十肩(どちらも肩関節周囲炎が正式名称)の中での少し重症化した例です。強く痛みが出てからすぐに来院したので、それほど長くなく改善しましたが、痛い状態で放置すると場合によってはどんどん悪化します。最初は痛む部分は狭いのですが、だんだんまわりの筋肉も緊張してしまい、痛む筋肉が増えて、制限される動きが増えます。さらに悪化した場合、痛みが麻痺して少なくなったように感じますが、可動域の制限が強く出てしまい、腕は上がらない回らない状態になります。腕が上がらない状態が長いと、半年ぐらい治療が必要になることもあります。どんな病気や怪我も早期治療が一番大切です。

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