科学的メカニズム

鍼灸は科学的に、とても優秀な物理療法です!

 

筋肉性の痛みには、「急性の痛み」「慢性の痛み」があります。どちらも鍼治療は効率よく改善します。

急性の痛みは、強い外力や負荷がかかった際に、組織に傷ついたり、ダメージによる筋痙攣が原因で起こります。

例、肉離れ、捻挫、挫傷、寝違え、ぎっくり腰など

 

慢性の痛みは、主に筋肉の疲労によって起こります。筋肉は疲労すると短く硬くなり、伸び縮みが悪くなります。筋肉自体に負荷がかかったり、筋肉内の神経が圧迫されたり、付着する骨膜を引っ張って痛みます。

例、慢性肩こり、慢性腰痛、頭痛、腱鞘炎、テニス肘など

筋肉の疲労と鍼

筋肉を収縮したり弛緩するには、血液内にある酸素やATP(エネルギー)が必要になります。長時間同じ姿勢をするなどの、同じ筋肉に負荷をかけ続けることで、筋組織内のATPや酸素が足りなくなる為、筋肉が緩めなくなってしまうのです。

鍼治療は筋肉に鍼を刺す事で、筋肉内の血管を広げる反射(軸索反射)が起こります。それにより新しい血液が筋肉内に入ります。血液に含まれる酸素とATPが入ることにより、筋肉は緩み、痛みが緩和されるのです。

筋緊張緩和のメカニズム

筋弛緩メカニズム

  1. 疲労などで硬くなった筋肉に鍼を刺す。(特に深部の筋ほど緊張が強いので必ず届くように刺鍼する。)
  2. 刺鍼による反射で一時的に筋肉の収縮が起こるが、置鍼(約15分以上)をしている間に筋肉の内で血流の改善が起こる。血流改善は*軸索反射による血管拡張から起こり、筋肉の弛緩を促進する。同時に興奮していた交感神経も沈静化にいたる。
  3. 抜鍼後から48時間ほど安静に過ごす。(特に施術をした日は汗をかく様な事を避ける。血管が再度収縮して効果が悪くなる為)安静にしていることで、筋肉内に酸素とATP(エネルギー)が流れ込み、筋肉の弛緩が起こる
  4. 痛みの原因である発痛物質や疲労物質は、血管を流れ肝臓で分解され、尿として排出される

 

*酸素はATPの産生に必要で、ATPはカルシウムイオンの回収に必要になります。カルシウムイオンが回収できないと、アクチンミオシンでの筋原線維の弛緩が起こらないからです。 *軸索反射(じくさくはんしゃ) 軸索反射とは反射経路が一次求心性神経の軸索のみで生じる反射。侵害受容器で発生した興奮は、脊髄終末部に伝わるだけでなく、他の分岐にも逆行性に伝わり、末梢終末からP物質やCGRPが放出される。これらは付近の血管や白血球などに働き血管拡張や透過性の亢進を引き起おこします。