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アキレス腱炎

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アキレス腱炎

アキレス腱炎について

アキレス腱炎は、下腿部の筋肉の反復的な筋収縮が原因で、筋肉の過緊張が起こり、アキレス腱や腱付着部に炎症が起こることで痛みが出る症状です。

長距離走る競技選手に多く、稀に長時間の立ち仕事の方でも起こります。

短距離走の選手は、どちらかと言えばアキレス腱炎より、肉ばなれやアキレス腱断裂になりやすいです。

短距離走はアキレス腱にかかる負荷が強すぎので、炎症になるより筋肉や腱が切れることが多いのです。

アキレス腱炎の原因は、反復的な筋収縮による筋肉疲労が続くことで、筋肉自体の柔軟性が無くなり、アキレス腱と腱付着部に負荷がかかりすぎることが原因です。

アキレス腱炎を予防するには、トレーニング後の筋肉が温まっている状態で、腓腹筋とヒラメ筋をよくストレッチで伸ばします。筋肉はゴムのように、温まっている状態の方が伸びますので、お風呂上りでも良いです。

すでにアキレス腱炎になっている場合は、ストレッチでは痛みが増す場合があります。炎症がある状態では、ストレッチをしても負荷をかけるだけですので、改善には向かいません。

ズキズキと炎症が常にあるようなら、腓腹筋とヒラメ筋の緊張を緩和させつつ、アキレス腱炎の炎症を消失する治療をしなければなりません。

炎症が治まったらストレッチで柔軟性を高めて、再度炎症しないようにしていきます。

では、どうやって腓腹筋とヒラメ筋の緊張を緩和させて、アキレス腱の炎症を改善させるのか?

私がおすすめするのは、鍼治療です。鍼治療は、直接筋肉に刺鍼することで、筋肉内の血管が拡張し、筋緊張を緩和させます。炎症部分も修復が進みますので、両方とも鍼治療でOKです。

アキレス腱炎

追記、腓腹筋とヒラメ筋だけで治らないアキレス腱炎について

腓腹筋とヒラメ筋を治療しても、改善しないアキレス腱炎はあります。そもそもアキレス腱には腱鞘がありませんので、摩擦による炎症は発生しません。アキレス腱炎は腱付着部の炎症によるものです。

しかし、腓腹筋とヒラメ筋を緩めても改善しない場合は、アキレス腱部の奥に痛みが出ていることがあります。

この場合、ヒラメ筋の奥にある、「長母趾屈、長趾屈筋、後脛骨筋」の過緊張が原因になっています。

他にも、アキレス腱付着部の内側に痛みがある場合、足底筋が付着するところが痛むようなら、足底筋の圧痛を確認して、痛むようなら治療対象に含めます。

アキレス腱炎の鍼灸施術

アキレス腱炎の鍼治療は、下腿部の原因筋に刺鍼していきます。

腓腹筋ヒラメ筋の中心部分には脛骨神経が走行しますので、ふくらはぎの中央に刺鍼すると脛骨神経に当たることがあります。神経に当たると痺れますので、ここには打たずに、両サイドから中心に向かって刺鍼します。

腓腹筋は、内側外側に分かれたのが集合するので、両方から刺鍼した方が緩みやすいです。

深部の筋肉は、脛骨腓骨の後ろを、スレスレ通過するように刺します。腓腹筋やヒラメ筋より硬い筋肉層が、長趾屈筋、長母趾屈筋、後脛骨筋です。

アキレス腱部に関しては、圧痛がある位置に炎症がありますので、その位置を狙い密に刺鍼します。

運動を中止して平均2回ぐらいの鍼施術で、アキレス腱の痛みも治まってきます。その後1,2回施術しながらストレッチで柔軟性を取り戻して、競技に復帰する流れになります。

トレーニングをしながらだと期間と回数がかかりますので、トレーニングは中断する方が早く治ります。

このような筋肉性の過緊張が原因の場合は、本数を多く、筋肉にしっかり刺す鍼灸院がおすすめです。

科学的メカニズム

鍼治療は筋肉に鍼を刺す事で、筋肉内の血管を広げる反射(軸索反射)を起こります。

軸索反射により筋肉内の血管が拡張して、新しい血液が筋肉内に入ります。

新しい血液に含まれる酸素とATPが筋細胞に入ることにより、筋肉は緩み、筋緊張が緩和されるのです。

さらに「詳しいメカニズムについて」はこちら

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