症例解説

両臀部痛

  1. HOME >
  2. 症例解説 >

両臀部痛

30代 男性 両臀部痛

3年前から走ったり歩いたりの動作で足の付け根(坐骨結節部)が痛い。整形外科や他の鍼灸院にも行ってみたが改善しない。動かなければ痛みは無いが、動くと痛み長く走れない。

来院時の状態

痛みが出るのは坐骨結節部らしいが、腰もたまに痛むらしく、起立筋部や臀部全体に筋緊張が強く圧痛もある。普段はテニスやランニングの際に痛みが出てくる。毎日自転車で通勤している。

鑑別、説明

腰臀部全体的に緊張が強いのは、長期間の痛み刺激のために、まわりの筋肉の緊張が強くなったと思われる。坐骨結節の痛みは双子筋や閉鎖筋が痛みを出しているか、ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)の緊張が強く、坐骨結節部の腱の付着部に炎症が起こると考えられる。長期間の症状なので最低でも5回はかかるだろうと説明。

経過

鍼治療1回目

筋緊張が強すぎて刺鍼の刺激を強く感じるため、初回は左起立筋、大腰筋、梨状筋、双子筋でSTOP。少な目の刺鍼で始めたが、それでも刺激が強く感じる。置鍼後、抜鍼。

鍼治療2回目

左側だけ一時的に良くなるが戻る。前回同様に本数少なく、起立筋、大腰筋、梨状筋、双子筋、閉鎖筋に刺鍼、置鍼後、抜鍼。

鍼治療3回目

状態はあまり改善がなく、筋緊張も強い。通勤の自転車やトレーニングは一時的にやめてもらうように説明。治療内容に、ハムストリングと坐骨結節部を加える

鍼治療4回目

かなり臀部の痛みが改善。改善があるので、同様の施術で様子を見る。

鍼治療5回目

順調に改善している。陽臀部の緊張も緩和されていている。治療内容は同じ。

鍼治療6,7回目

運動再開した。少し痛みが出たこともあるが、ほぼ痛みや違和感は出ない状態まで改善。

解説

この方は最初に腰臀部を優先して刺鍼したため、ハムストリングスの施術が後回しになりました。結果的に原因は痛みがある部分ではなく、そこに着く筋肉(ハムストリングス)でした。こちらを優先して刺鍼すれば、改善までもう少し回数も少なくなったと思われます。悔しいですが、この経験を次回につなげていこうと思っています。

-症例解説