症例解説

ぎっくり腰

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ぎっくり腰

60代 男性 会社員 ぎっくり腰

6日前に腰が徐々に痛くなり、3日前には歩くのも困難になった。昨日病院に行き痛み止めをもらって、ある程度良くなったがまだ痛いので来た。

初期の状態

来院時は腰が屈曲した姿勢で歩行。しばらくすると伸ばせるらしい。起立筋部に緊張がみられること、股関節が屈曲位から伸ばしずらい事以外は問題なし。

鑑別、説明

股関節が伸ばせない典型的なぎっくり腰だと説明。大腰筋が収縮して股関節が屈曲状態から伸ばせず前傾姿勢だったので、姿勢を維持するために起立筋が緊張してきたのだろうと説明。起立筋と大腰筋の刺鍼で改善するだろうと伝える。

施術

鍼治療1回目

右横向き(股関節軽度屈曲位)で起立筋、大腰筋の刺鍼。明らかに大腰筋の筋収縮が強いことを説明。置鍼後、抜鍼。

鍼治療2回目

「腰の痛みが半減した!」とのことで、うつ伏せで同様の施術。置鍼中に貧血症状あり、途中抜鍼。休息して脳貧血は収まり終了。

鍼治療3回目

「初回ほど劇的ではないが改善している。腰の痛みはほとんどなく、やや背中の方の張りが気になる。」とのこと、前回同様の施術を鍼少な目にして、起立筋を広めに刺鍼。置鍼後、抜鍼。 

解説

症状は典型的なぎっくり腰です。大腰筋の収縮による腰が伸ばせなくなるのが特徴で、早期に施術すれば1,2回で改善します。この方は初回時に痛み止めを飲んでいたせいか、初回時は脳貧血を起こしませんでした。注射や点滴などの針刺激で脳貧血(めまいや気持ち悪さ)を起こす方はたまにいます。外的ストレスに対して「血の気が引く、腰が抜ける」という状態です。注射のたびに脳貧血を起こしている方は、鍼施術でも起こることが多いです。起こっても横になって休めば5分もすれば治りますが、空腹時や睡眠不足での鍼施術は、脳貧血を起こす要因になるのでお気を付けください。(不眠症での睡眠不足は問題ないです。)

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