症例解説

左腰臀部痛 左坐骨神経痛

  1. HOME >
  2. 症例解説 >

左腰臀部痛 左坐骨神経痛

50代 男性 会社員 左腰臀部痛 左坐骨神経痛

昔から腰痛は繰り返し起こっていたが、昨年の11月(3月前)ごろから、左臀部から足にかけて痺れが出るようになった。今は常に左腰が張るような痛みがあり、臀部~腿裏、ふくらはぎにかけて痺れが出ている。

初期の状態

腰臀部は左の起立筋や方形筋、中殿筋、梨状筋、小殿筋が強く緊張しているように見られ、痺れは左腿裏からふくらはぎにかけて出ている。腰臀部は常に張るような痛みがあるが、痺れは歩いたりしている時だけである。腰もやや伸ばしずらく、大腰筋か腸骨筋も緊張しているように感じられる。

鑑別、説明

痛み痺れの位置から坐骨神経が大腰筋、腸骨筋、梨状筋を中心とした筋肉に圧迫されていると考えられる。(ハムストリングスでも坐骨神経を圧迫するが、腿裏に出ていることからハムストリングスより上位の位置に原因があると思われる。)初期はうつ伏せで鍼施術を行い、改善が無かったり止まるようなら、仰向けで腸骨筋の鍼施術を行うことを説明。予想回数は最低でも5回以上かかるだろうと伝える。

施術

鍼治療1回目

うつ伏せで左の起立筋、大腰筋、小殿筋、梨状筋の刺鍼。置鍼、抜鍼。初回は鍼に慣れておらず、刺激量少な目での施術。

鍼治療2回目

「腰臀部の痛みは良くなっているが、まだ足のしびれは変わらない」とのこと、前回同様の施術に加えて、左の中殿筋、方形筋、腿裏、下腿も刺鍼。置鍼後、抜鍼。

鍼治療3回目

「腰と臀部は良くなっているが、足のしびれも少し弱くなったかな?程度」前回同様の施術。今回の施術で、痺れの改善があまり進まないなら次回腸j骨筋の刺鍼をすると説明。

鍼治療4回目

「足のしびれは弱くはなっているが、少しずつといった感じ」とのこと、上向きで左腸骨筋と小殿筋の刺鍼。置鍼後、抜鍼。

鍼治療5回目

「ほとんど足のしびれが無くなった」とのこと、同様の施術。ストレッチ、有酸素運動の指導。

鍼治療6回目

「疲れると少し違和感が出る程度」同様の施術。違和感痛みが無いようなら様子見でいいと伝える。

解説

この方の坐骨神経痛は最初の段階ではどこが原因かはっきりはしていませんでした。ですが症状が出たり出なかったり、日によって痺れの強弱があることから、筋肉性の坐骨神経痛ではあるとわかっていました。なので坐骨神経を圧迫していそうな反応がある筋肉からしらみつぶしに改善させていきました。うつ伏せから始めたのは、可能性がある多くの筋肉を同時に施術できる事と腰の張痛を改善する為です。結果的に大腰筋、腸骨筋、梨状筋あたりで神経を圧迫していたようです。仰向けでの腸骨筋への刺鍼を早い段階に一度行っていれば、より早い改善になったかもしれません。そこが悔やまれるかなと思いました。

-症例解説