症例解説

右手正中神経痛

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右手正中神経痛

20代 女性 事務職 右手の正中神経痛(痺れ)

3週間前から右肘内側あたりから手の平にかけて痺れたり痛かったりしています。きっかけは無く、徐々に強くなり、湿布を張っても変わらないのできた。

初期の状態

症状は右手の前腕の前面から手掌にかけてビリビリとした痺れるような痛み。常にではなく仕事中や仕事終わりに強く、朝は比較的弱い。右斜角筋あたりや上腕二頭筋、円回内筋と前腕屈筋群には圧痛があり、筋緊張が強くなっている。

鑑別、説明

痺れ痛みが出ている範囲から正中神経が前腕より上で圧迫されていることが予想される。症状が出たり弱くなったりすることから、筋肉が神経を圧迫しているのが原因だろうと説明。正中神経を圧迫しやすいのは、首の斜角筋、腕の円回内筋が多いので、この二か所を優先して施術していくことを伝える。

施術

鍼治療1回目

仰向けにて右の斜角筋、上腕二頭筋、円回内筋、前腕屈筋群に対し刺鍼。置鍼後、抜鍼。

鍼治療2回目

「手のひらの痺れが弱くなった、3割くらい減った感じ!」とのこと、原因はとらえれているので繰り返せばどんどん良くなると説明。

鍼治療3,4、5回目

同様の施術。 徐々に痺れはなくなり、指先の痺れが無くなり気にならなくなる。ストレッチ指導で再発予防。

解説

手の神経痛による痛みや痺れは、首の斜角筋が原因で起こることが多く、頸部の刺鍼を中心に行います。ですが、正中神経は円回内筋でも圧迫されることも多く、肘から下に症状がある場合は、こちらを優先することもあります。今回は円回内筋より近位にも症状が出ていたので、頸部優先の後に円回内筋優先に切り替えました。よく手根管症候群の診断が出た方でも改善することがあるのは、円回内筋が原因の神経痛の場合もあるからです。手根管症候群の診断が出た場合、すぐに手術をするのでなく鍼を試すことをお勧めします。

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